かけがえのない一瞬

三輪亮介の日常ブログです。ここでは仕事の近況・日々の想いなどを綴りたいと思います。

2017-01-01から1年間の記事一覧

大きなアーチを描いて 街と街を結んでゆく橋 大きなマンションが現れて 道ゆく人が思うこと 前に何があったっけ 色褪せる暇もなく カラフルに忘れちゃう 高校生がダンスを踊って 駅のホームで笑っている 傘を振ったサラリーマン 苦手なアイアンの練習をして…

ゲシュタルト崩壊

僕に見えているのは 「君」という「カタマリ」 でも本当は 「誰かを想う優しさ」 「夢中になってしまう瞳」 「甲高く笑う声」 「凝ってしまう背中」 「短気なところ」 1つ1つの「要素」が集まって 「君」は構成されている その「1つの要素」だけを見つめ…

スーパーマンじゃないんだぞ

いつも聞いてよって言うけどさ スーパーマーケットじゃないんだぞ 肉は肉屋 魚は魚屋 俺は俺だ いつも一緒がいいって言うけどさ スーパー銭湯じゃないんだぞ プールは水着 お風呂は裸 俺は男湯だ 決められたレールの上を歩くのは嫌がるくせに 真っ白な紙に自…

1988年の一歩

幼い頃の僕は カブトムシが好みそうな雑木林を探検するのが好きで 湿った枯葉が敷き詰められた地面を踏みしめては 「この場所を最後に踏んだのは 僕の前には誰だったんだろう」 なんて 20センチにも満たない小さなマジックテープ式の スポーツシューズを 眺…

筋肉痛

思い当たることがない筋肉痛ってあるだろ この胸も同じさ 動かすとまだ痛みが走るものだから とりあえず ここでずっと 自分の身の上に起こった出来事を並べている あれかな これかな そのどれもが正解のようで そのどれもが違うように思えた いつの間にか治…

in my pocket

君はなにかを探すように 僕のポケットに手を入れて 不意になにかを見つけたように あたたかいねと笑う 僕らは川の向こうの 白んだ空を見つめながら もう長いこと運転を見合わせている春を 河原のホームでじっと待っていた 君はすぐに迷子になる子どものよう…

赤青えんぴつ

僕らは 赤青えんぴつだった 彼女は赤えんぴつのように忙しくて 誰かの答えに頷いたり首を振ったり 助言は相手の答えの邪魔にならないように そっと右側に添えてやったり 実にたくさんの人から彼女は愛されていた 僕は青えんぴつのように出番が少なくて 賑や…

私が見つける星

私は 私を決めてこなかった 苦手だった漢文の試験問題のように 消去法で残った番号を選んで来ただけ 今 クラス替えを繰り返す教室から 初めて外の世界に飛び出したときに 名札を外された私は 私を人に説明できなかった 役がないのに現場に迷い込んでしまった…

時間

時間は 進んでいって 運んでいって 花が咲いていって 花が散っていって 過ぎていって 消えていくね そしてまた 時間は 生まれていって 刻まれていって 思い出を作っていって 思い出を薄めていって 飲み残された アイスコーヒーだね 時間は あたたかくなくて …

メロスの理由

回り回る 一週間 僕がスーツでボールペンを回せば あいつはトレーに乗ったパンを回す くるくる くるくる 正面から螺旋階段を昇る人 裏山から崖をよじ登る人 辿り着くのは同じ場所 それぞれ見てきた景色 伝え合えばいいさ 一緒に笑ったね 一緒に泣いたね 教室…

Black board and White paper

何を書くのか忘れてしまった教師は チョークを握ったまま 黒板を見つめてしまう 一人の生徒の囁きに救われ そうだそうだと 照れ臭そうに 一文字目を書き始めたら チョークは一気に 粉を噴きながら黒板を走った 頭じゃなくて身体で覚えていたんだな いくら考…

元素記号「Ir」

「イマ」という瞬間を いったいどれくらい確かな紐で 結ぶことができるだろう 向かいの家の雨戸は毎朝6時に必ず開く 3日前に宣言されたダイエットがある 河原ですれ違う老人は 1週間後もラジオを流しているか 付き合い始めた恋人たちの3ヶ月後はどうだ 1年…

洗面所

身体が硬い今日の 背中を押して明日へ伸ばそう 右手を上げたら 左手を上げる天の邪鬼さ 両手に溜めたお水をかけよう おはよう 滴りを許す ほんのひと時 どんなに願っても あるとき止まってしまった身長で のん気に伸びているヒゲを そっとさすってやる 大丈…

say anything

最近の僕は まとまっているより 散らばったくらいの方がいい 脱ぎ捨てた靴下に 昨夜の疲れが溜まっている 読みかけの雑誌に お気に入りの日曜日が載っている 飲み残したコーヒーに 苦い思い出が浮かんでいる 僕はそれを毎週月曜日の朝 流しに捨てる トリスタ…

curtain

一度始まったら 止めることも戻すこともできない演劇のように 幕が上がったときの 舞台役者の気持ちで 今日を生きたい 僕は「自分」という役を上手に演じられているだろうか セリフは自然と口から溢れ 身体は勝手に動くようになっているだろうか 「本物」に…

カケラ

いつか僕は バラバラになってしまって 自分のカケラを探す旅に出た 探し当てても 果たしてこれが 本当に自分のものであったのか そうでないのか わからなくて その度に 周りの人に聞いて回った 「そうだ」という人 「そうじゃない」という人 僕は迷ってしま…

Back Number

君のハンドルに 一日を任せたら 僕はもう 車窓に貼り付いて 外の世界を覗く 子どものよう 帰省する車内で いつまでも続く冬の田園を眺めていた 子ども ちぎられた雲たちが 何かを描いていくのだけれど いつも形になる前に 僕は通り過ぎてしまう リピートを繰…

RUNWAY

テクノに揺られ フラッシュを浴びながら 前だけを見続けるモデルのように 胸を張って歩きたい 私が歩いても 音楽は流れないし フラッシュは焚かれない 満員電車で足を踏まれながら 少し擦れた 革靴を眺めてしまう 例えば この小さな交差点で 向かいの男性た…

名前が同じだけの3月11日

君との思い出を 胸ポケットにしまい込んだのを忘れていて そのまま洗濯しちゃったものだから もうしわくちゃのカチカチさ 破かないように ゆっくり開いてみるのだけれど 最初の文字がもう消えちゃっていて まるで歌い出しを忘れてしまった歌のよう 何度も回…

涙さん

涙さんに聞いてみた なぜこぼれてしまうの? 涙さんは困った顔をして 今度はもっと 泣いてしまったっけな うれしいの? かなしいの? わからないまま伝うものが きっとたくさんあるのだろうな あの日の僕には ただ隣に座ってくれる人がいてね 朝になったら …

「1」が「100」になる瞬間

「0」が「1」になる瞬間が好きだ。 僕の毎日は、きっと、見えていないものの方が多い。 いや、まだ存在していないものの方が多い。 待っていても、誰も現れない。何も始まらない。 「0」のまま。 何もないただの「教室」が、小さな「劇場」になる。 真っ白な…

「リョウタとアキコ」

いつか15歳の頃を思い出したとき、 僕はどんなふうに振り返るだろう。 いつか15歳の頃を思い出したとき、 私はどんなふうに振り返るだろう。 文節と単語の違いって、なんだっけ。 「解の公式」って、なんだっけ。 一番石油の輸出量が多い国は、どこだっけ。 …

one's feeling

人は、自分の変化を 本や、言葉や、他人のおかげだと考えがちだけど、 それらは「きっかけ」でしかなく、 残念ながら、外側のものはその人を変える力は持ち合わせてはいない。 変わる力は、いつだって内側にある。 もっと言えば、 人は「変わる」わけではな…

そんなふうに歌ってみたいな

たくさん考えて たくさん直して こんなふうに 歌うようになった ハミングを重ねながら 駅に向かう人も増えたけど 僕の歌じゃ キッチンで口ずさめない人もいるみたい 君の朝に合うように 今度は歌えるかな 狭い路地裏で道を塞ぐ 押し売りみたいじゃなくて 洗…

3年B組に、いたいのではない。

「人とかかわる」とは、一体どういうことだろうか。 正解はない。 それぞれの定義が存在するし、自分に合った定義に人は集うだろう。 「類は友を呼ぶ」という言葉が、それを端的に表している。 「組織」は、わかりやすい形で僕らの前にある。 「野球部」は「…

「想いは届いただろうか」

「想いは届いただろうか」 いつもそればかり思っている。 他に思うことはない。 野田市岩名中学校で毎年行われている、「社会人に学ぶ(中1対象)」の授業に、講師として呼ばれるようになって数年が経つ。 ありがたいとことに、毎年、丁寧に生徒一人一人の…

メイキングポスター

毎年、柏市児童センターミュージカルのポスターを描かせてもらっています。 今回は、去年の作品「はじまりの青い鳥〜未来から来た勇者たち〜」のメイキングを載せたいと思います。

山の向こうのあの人に