かけがえのない一瞬

三輪亮介の日常ブログです。ここでは仕事の近況・日々の想いなどを綴りたいと思います。

2017-04-01から1ヶ月間の記事一覧

この手に残るもの

握りしめる 一生懸命走れば落ちてしまう 強く握っておかなくてはならない 強く握りすぎると潰れてしまう 優しく握らなくてはならない たくさん握れば零れてしまう 大切なものだけ握らなくてはならない 大切なものが増えたときには 本当に大切なものかどうか…

僕の探しもの

何かを強く願っているのに 何を願っているのか 僕にはわからない 空腹で何かを食べたいのに 何を食べたいのか 僕にはわからない 母に行く先を尋ねられても うまく答えられなかった夏休みの昼下がり ただ自転車を走らせた 目的のない旅 小さな僕が探していた…

端数

僕は自分の気持ちを四捨五入するのが苦手で 端数ばかりが無理数みたいに続いてしまう いったいどこで繰り上げればいいのか 繰り上げてもいいのかもわからない 悲しみと呼ぶには痛みがたりなくて 幸せと呼ぶには笑顔がたりないような気がする 直感的に誰しも…

笑ってくれたら

笑ってくれたらうれしい とてもシンプルなこと 面白い話なんか持っていない ただ君の話に耳を傾けるだけ 大きく頷き 何度も頷き 生まれたばかりの君の言葉を身体に染み込ませて わかりたくて わかりたくて 一緒に喜びたくて 一緒に悔しがりたくて 必死に君の…

許せないもの

自分なりの「こだわり」ってある 例えば恋人にするなら タバコを吸っていない人がいい 博打をしない人がいい 犬好きじゃない人がいい 「こだわり」とは「許せないもの」でもある タバコを吸う人が許せない 博打をする人が許せない 犬好きな人が許せないのだ …

夜明け

夜から朝に変わるそのひと時を 僕はとても愛しく思う 誰もいない真っ暗な土手を走ると 世界を独り占めしているみたいで 気持ちがいい 同じことを考えている人が何人もいるみたい すれ違いながら どこかでシンパシー 人はきっと一人になれないようにできてい…

4月生まれと3月生まれ

4月生まれの君の背中は眩しくて 3月生まれの僕はいつも影みたいにくっついていた 通学路を外れるのが好きで 大きなランドセル揺らして 振り回す木の棒 蹴飛ばす石ころ 最後はいつもの公園 そこが僕らのすべてだった 僕の初めてはいつも君と 部屋の中じゃ聴こ…

朝方のシャワー

朝方のシャワーは 頭を下げれば 昨夜の疲れを流してくれるようで 見上げれば 今朝の僕を新しくしてくれるようで 僕は視覚を閉じて 何かを開く 僕の頭は 誰かに洗ってもらった方が 気持ちがよくて どんなに真似てみても うまくいかなかった 一人じゃ感じられ…

幸せのレシピ

今も昔も 僕らは地球の鍋で 作り方がわからない料理を試している 道路を走る車は未来の形になったかな 電車の車窓に映る表情は 昔の人が願ったように柔らかいかな パラパラパラパラ 今日もどこかで 「幸せのレシピ」をめくる音 あの頃の君は まだ生えたばか…

はなむけの言葉

まるで、ゴール前で最後のパスを チームメイトに送るサッカー選手のように、 絶対的な信頼を寄せる音で彼を呼んでいる。 その音は、共に乗り越えてきた、 たくさんの光景で鳴らされている。 いくつの朝を一緒に迎えたか、もう数えられない。 ひとつひとつ、…

12歳の恋

絵に描いたような桜舞う入学式 僕は体育館で 不安と期待の空気を吸う 背が低い僕には 見えづらいものばかり 肩と肩の間から かかとを上げた景色が残る いつも廊下に響き渡る大きな声 ショートで元気で色黒で みんなのチャイム 君はその昔フランスを救った少…

くれいジィ

お前がジジイになった時 孫に何を語れるか 想像してみろ 「大学を留年した話」 理由もなく留年をした話 サークルに燃えすぎて留年したバカ話 どっちが面白い? 「気になる子がいた話」 何もせず何も起こらなかった話 声をかけて公衆の面前でフラれた話 どっ…

春を待つように

僕はキリンの首になって 春を待つように あなたを待った 初めて降り立つ街は 着替えたように暖かい空気で 駅前にある木目調の古い喫茶店からは 焼いたパンの香りとコーヒーを挽く音がした 新聞を広げながらカプチーノ 知らない人が窓際で朝を始めている 信号…

投影図

その建物は空から眺めていると 丸い形をしていて 僕は円柱のようなビルを想像していました でも いざ地上に下りて正面に立ってみると 三角の形をしていて 円錐のようなビルだったのです 僕は戸惑いながらも 入口の警備の人に会釈をして 鋭い自動ドアに吸い込…

大切なものは目に見えない

大切なものは目に見えない 誰にも見えない「未来」を 思うように描いてみただけさ 僕が描いた絵 「夢」という絵 誰にも見えない「空気」を 場に合わせて読んできただけさ 僕が読んだ本 「嘘」という本 誰にも見えない「気持ち」を 拳を握るように込めてみた…

感情

この感情はなんだろう 隣り合わせの感情が 僕の中を行き来しているのか 二つのドアの前で 僕が右往左往しているのか どちらにせよ一つじゃない 二つのまま進んでいく 人は生まれながらに 善なのか悪なのか 生きていく中で 染まっていく生き物なのか どちらに…

大きなアーチを描いて 街と街を結んでゆく橋 大きなマンションが現れて 道ゆく人が思うこと 前に何があったっけ 色褪せる暇もなく カラフルに忘れちゃう 高校生がダンスを踊って 駅のホームで笑っている 傘を振ったサラリーマン 苦手なアイアンの練習をして…

ゲシュタルト崩壊

僕に見えているのは 「君」という「カタマリ」 でも本当は 「誰かを想う優しさ」 「夢中になってしまう瞳」 「甲高く笑う声」 「凝ってしまう背中」 「短気なところ」 1つ1つの「要素」が集まって 「君」は構成されている その「1つの要素」だけを見つめ…

スーパーマンじゃないんだぞ

いつも聞いてよって言うけどさ スーパーマーケットじゃないんだぞ 肉は肉屋 魚は魚屋 俺は俺だ いつも一緒がいいって言うけどさ スーパー銭湯じゃないんだぞ プールは水着 お風呂は裸 俺は男湯だ 決められたレールの上を歩くのは嫌がるくせに 真っ白な紙に自…

1988年の一歩

幼い頃の僕は カブトムシが好みそうな雑木林を探検するのが好きで 湿った枯葉が敷き詰められた地面を踏みしめては 「この場所を最後に踏んだのは 僕の前には誰だったんだろう」 なんて 20センチにも満たない小さなマジックテープ式の スポーツシューズを 眺…