かけがえのない一瞬

三輪亮介の日常ブログです。ここでは仕事の近況・日々の想いなどを綴りたいと思います。

1988年の一歩

幼い頃の僕は
 
カブトムシが好みそうな雑木林を探検するのが好きで
 
湿った枯葉が敷き詰められた地面を踏みしめては


 

「この場所を最後に踏んだのは
 
僕の前には誰だったんだろう」



 
なんて
 
20センチにも満たない小さなマジックテープ式の
 
スポーツシューズを 眺めてしまったものさ
 



「もしかしたら人類で初めて僕が
 
この場所を踏んでいるんじゃないか」



 
なんて
 
こんがりと日焼けした真っ黒な顔を硬直させて
 
汗だけは止められずに 思ってしまったものさ
 



アームストロング船長も
 
きっとこんな気持ちだったに違いない
 



僕は次の一歩を踏み出せないまま

ひたすらセミたちの大歓声を浴び続けた




1988年のことだ