かけがえのない一瞬

三輪亮介の日常ブログです。ここでは仕事の近況・日々の想いなどを綴りたいと思います。

明日の光

雲と雲の間からやっと現れてくれた

消えていたのではない

誰かが見つけてくれるまで隠れていただけ

明日の光



 
僕は僕を知らなくて

うまく身体を動かすことのできない歯がゆさで

膝を抱えて泣いていて


 
照らされて初めて影ができて

僕は僕の形を知ったのさ


 
僕は右手でキツネを作ったのだけれど

君はオオカミだって笑っていた

そんな日を覚えている


 
手を伸ばしても 遥か彼方

手紙のようにただ届くのを待つしかない

明日の光
 


照らして跳ね返って飛び交って

水面は眩しく今日を始めてゆく
 


あの日の小石を川へ投げて

ちゃぽんと波紋が拡がって


 
風が吹く
 


人は失くすことに慣れるわけじゃない

人は忘れることに慣れてしまう


 
君を守るように君を避けて拡がってゆく

僕の波紋
 


やがて今の僕らも鏡みたいに凛と張って

誰かが見上げる春の空を映せればいい


明日の光