柏市児童センターミュージカル、20年の幕を下ろす
柏市児童センターミュージカル、20年の幕を下ろす
“地域の人々の居場所づくり”を掲げて活動を続けてきた、「柏市児童センターミュージカル」。その歩みも、20年目の今年、2021年11月14日(日)アミュゼ公演をもって、ついに終焉を迎える。
コロナによるもの、新規参加者の減少、理由はいくつも挙げられるが、どんなふうに床に並べても、結果はいつも1つだ。
2014年にこのミュージカルを卒業した僕の耳に、その報告が入ったのは今年の夏頃のことだったろうか。
最後の公演、一緒にやりませんか?
迷いはない。即答だった。
そこには恩義があった。10代から世代間交流を持てたことは僕の人生にとって、とても大きなものだった。大学・サークル・アルバイトとはまた別のものがそこにはあった。
公演できるか確約はできない、でも、公演を目指して練習をする。無駄になるかもしれない。形にならないかもしれない。それでもやる。その覚悟を持った人たちが、この特殊な20年目のサヨナラ公演に参加表明をしてくれている。
その彼ら彼女たちの覚悟に、僕は僕なりの恩返しとして、全力を注ぐ決意を固めた。
みんなが1つになるということ
緊急事態宣言の最中、ズームでの練習を余儀なくされ、夜な夜な、演出家のプランを動画にまとめ、youtubeに上げ続けた。どれだけの参加者がこれを見て練習してくれているのか、再生回数では肌感はわからない。9月の1ヶ月間、孤独な作業が続いた。その孤独感や不安は、きっとみんなが持っていたものだろう。
10月に入って、緊急事態宣言が明けると、ようやくリアルの練習に入れた。コロナ対策チームを設け、試行錯誤しながらの、貴重なリアルの練習の場。1分たりとも無駄にできない。その気持ちが、いつも以上に僕らを1つの方向に向けてくれたのもかもしれない。
実際、始めてみて驚いた。
子どもたちは、舞台上の動きをほぼ完璧に頭に入れてきてくれている。youtubeに上げた演出プランを1人1人が、自分で練習して頭に入れてきてくれている。僕が忘れてしまった箇所も、子どもたちが逆に僕に教えてくれる場面もあった。
年長の子が、年下の子に、身振り手振りしながら教えてくれている。どうしたらもっといい場面になるのか、みんなが考え続けている。
もっと考えたい
どうしたらお客さんに届くのか。僕らは一体何をお客さんに伝えたいのか。
この声で、身体で。最後の最後に僕らが伝えたいものってなんだろう。
それはちゃんと届くのか。届く練習をしているのか。
考えたい。みんなで考えたい。最後の最後まで。