SNSが苦手な人
SNSが苦手な人っている。僕もそうだ。
「マンガ家なら絶対にやったほうがいい!」
先輩作家たちにも、ものすごく薦められるし、事実、やったほうがいい。「いいね」の数はモチベーションに繋がるし、コメントは賛否ともにリフレクションにもなる。企業の目に止まれば仕事の話も舞い込んでくるかもしれないし、フォロワーが多くなればそれだけで作品を出した時の瞬間的露出も高くなるし、拡散しやすい。やらない理由が見当たらない。
TwitterやインスタもFacebookも、すこ〜し覗くし、たま〜に上げたりもする。
でも、でも。
スクロールすればするほど、どこか疲れてしまう自分がいる。
たまに素晴らしい作品や、ハッとするコメントにも巡り合ったりするけれど、あらゆる人間の、あらゆる感情が入り組んだ、あらゆる心の途方もない何かに埋もれていくようで、僕は、言葉を選ばなければ、“辟易”してしまうのだ。
否定したいわけじゃない。僕だって、実際に使っているし、それで仕事に繋がることもあれば、久しい友人の近況を知ることができて、遠くの空でひとり嬉しかったりもする。
でも、でも。
「SNSに上げるために、何かをする」
その、逆転してしまいそうになる自分が恐い。僕の日常の営みは、どれもとても愛おしいものばかりだ。
子どもを送るまでの朝も、絵を描いているときも、大切な人たちと一緒にテーブルを囲む瞬間も、情熱をぶつけ合う瞬間も、何かを作り上げる過程も、寝る前に少しだけ見る映画の情景も・・。
すべて、すべて。
完結している。誰かに話すものじゃない。誰かに見せるものじゃない。
それぐらい大切で、愛しいものばかり。
この日 この時の 気持ち
誰とも分け合わないで
どんなだったか覚えておこう
Oh Cry Oh Cry Oh Cry
そんな感じ。
ブログくらいがちょうどいい。
でも、でも。
SNS、もっと気軽に楽しみたいとも思うんだ。