かけがえのない一瞬

三輪亮介の日常ブログです。ここでは仕事の近況・日々の想いなどを綴りたいと思います。

SawanoHiroyuki[nZk]:ASKA『地球という名の都』

音楽のことを書くのが気恥ずかしい年齢になってきたけど、変わらず、ASKAの詩の世界に影響を受け続けている僕からしたら、このコラボは、胸が熱くなった。

澤野さんは、『進撃の巨人BGM』で2014年JASRAC賞銀賞を受賞。その後、ボーカル楽曲に重点を置いたSawanoHiroyuki[nZk]プロジェクトを立ち上げ。新旧の垣根を越え、確かな力を持つボーカリストたちと積極的にコラボをしている。

そんな澤野さんの音楽を志した原点こそ、ASKA、その人。

 

「いつかASKAさんと一緒に…」

 

そう思っていたに違いない。

僕もそうだ。

 

それがこうやって実現したんだもの。

自分のことのように、彼の気持ちがわかる。

 

自分の中の血を作った音、歌、詩。

あの曲で乗り越えたもの。あの曲で乗り越えられたもの。

真似事から抜け出せなくて、それがやっと自分の言葉になって、あの人のように同じように、誰かの心を灯したい、と強く思った。

 

おめでとうございます。

 

さあ、ここからだ。

SNSが苦手な人

SNSが苦手な人っている。僕もそうだ。

 

「マンガ家なら絶対にやったほうがいい!」

先輩作家たちにも、ものすごく薦められるし、事実、やったほうがいい。「いいね」の数はモチベーションに繋がるし、コメントは賛否ともにリフレクションにもなる。企業の目に止まれば仕事の話も舞い込んでくるかもしれないし、フォロワーが多くなればそれだけで作品を出した時の瞬間的露出も高くなるし、拡散しやすい。やらない理由が見当たらない。

TwitterやインスタもFacebookも、すこ〜し覗くし、たま〜に上げたりもする。

 

でも、でも。

 

スクロールすればするほど、どこか疲れてしまう自分がいる。

たまに素晴らしい作品や、ハッとするコメントにも巡り合ったりするけれど、あらゆる人間の、あらゆる感情が入り組んだ、あらゆる心の途方もない何かに埋もれていくようで、僕は、言葉を選ばなければ、“辟易”してしまうのだ。

 

否定したいわけじゃない。僕だって、実際に使っているし、それで仕事に繋がることもあれば、久しい友人の近況を知ることができて、遠くの空でひとり嬉しかったりもする。

 

でも、でも。

 

SNSに上げるために、何かをする」

その、逆転してしまいそうになる自分が恐い。僕の日常の営みは、どれもとても愛おしいものばかりだ。

子どもを送るまでの朝も、絵を描いているときも、大切な人たちと一緒にテーブルを囲む瞬間も、情熱をぶつけ合う瞬間も、何かを作り上げる過程も、寝る前に少しだけ見る映画の情景も・・。

 

すべて、すべて。

 

完結している。誰かに話すものじゃない。誰かに見せるものじゃない。

それぐらい大切で、愛しいものばかり。

 

 

この日 この時の 気持ち

誰とも分け合わないで

どんなだったか覚えておこう

Oh Cry Oh Cry Oh Cry

 

 

そんな感じ。

 

ブログくらいがちょうどいい。

 

でも、でも。

 

SNS、もっと気軽に楽しみたいとも思うんだ。

3月22日 ASKA書き下ろし詩集発売

僕が最も影響を受けたのはASKAさんです。色々と言われていますが、今も昔も、彼の言葉に数え切れないほど救われてきました。

人生はいいときばかりじゃない。

本当に苦しいときこそ、そこからまた歩き出せる人でありたいと思います。

 

詩集、発売です。 

 

ASKA 書きおろし詩集

ASKA 書きおろし詩集

 

 

いろんな人が歌ってきたように

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それでも今がいい…

ある日、後輩が言った。

「他人は自分の鏡だ」

会社の人間関係で悩んでいたとき、お母さんから教わった言葉だと言う。
彼女は少し抜けているというか、決して器用な方ではなかったけれど、言葉を受け止める純粋さだけは人一倍強かった。彼女はその言葉を信じて、自分の行動を見つめ直し、結果、会社での人間関係は良好なものになったという。
学生時代の彼女を知っている僕は、彼女の成長をうれしく思ったものだけど、今思えばそれは、「成長」とは少し違うものだったのかもしれない。

年を重ねるイメージとは、どんなものだろう。

たとえば、古くなった服を捨て、新しい服を着ると考えてみよう。
古くなったものをどんどん捨ててしまえる人は、きっと昨日よりも今日が楽しいのかもしれない。
一方で、明日が不安で、何も捨てずに重ね着をして行く人もいるかもしれない。
そして、いつか重くなって歩けなくなってしまったとき、初めて何かを捨てるのかもしれない。

年を重ねるということは、取捨選択を迫られていることなのだと、少し前の僕は思っていた。

でも、こんなのはどうだろう。

服は古くなると段々消えて行って、同時に新しい服が段々現れてくるイメージ。
だからといって何もせずに、自然と服が新しくなるわけじゃない。
そこにはその人の意志が介在していて、一歩一歩踏み出さないと、その変化は訪れない。
踏み出せば消え、生まれるのではなく、踏み出して消し、そして必ず生む。
そして、その服は、幾重の新陳代謝をくり返しながら、装飾をそぎ落とし、よりシンプルになっていく。

もしかしたら、辿りつく先は「裸の王様」なのかもしれない。
 

そろそろね 気づいてもいいだろう
すべては 自分だってことを
この目に映る すべてのことは

そろそろね 認めてもいいだろう
すべては 自分だってことを
真実も嘘も光も闇も

君はどうだい 僕はまだまださ

あの風の向こうで 手を振るのは誰
強くちぎれるほど
good bye and hello
どっちに見えるかは自分次第さ

『track.02 いろんな人が歌ってきたように』

●2012年10月17日(水)Release
ASKA NEW ALBUM『SCRAMBLE』
【収録曲】
01.UNI-VERSE(Album Mix)
02.いろんな人が歌ってきたように
03.朝をありがとう
04.L&R(Album Mix)
05.どんなことがあっても
06.SCRAMBLE
07.歌の中には不自由がない
08.あなたが泣くことはない
09.水ゆるく流れ
10.僕の来た道

歌の中には不自由がない

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『歌の中には不自由がない』
ASKA Release2012/01/21

突如、i-Tuneで配信となった今回の新曲。プロモーション皆無のリリースに、ファンも驚いているようです。
ただ、アーティストが書きたいときに歌を書いて、出したいときに出せるという意味では、とても現代に見合ったリリースの仕方であったと思います。そういうタイミングとか、ASKAは気にしてそうですよね。
歌詞カードがないのは、残念ですが。

先日のコンサートでは、さらにもう一曲『朝をありがとう』も披露したとか!
そろそろアルバムを期待してもいいのではないでしょうか!

さて、今回の曲を、kicksを彷彿とさせるASKAのロックミュージックだ!と叫んでいる人も多いようです。
「人には人のやり方がある」ってフレーズは、まさにアルバム「kicks」収録の『NOW』や『花は咲いたか』の歌詞に通じるものがあると思います。ギターのエッジの利かせ方とかも似ている気がします。
ただ、僕はやはり、近年ASKAが築いてきた独特のテンポと、70年代以降の日本の歌謡曲との融合を感じます。
新しいんだけど、懐かしい。
どこかにあったような気がするけど、実はどこにもない。
それがASKAの曲だと思います。

 

歌の中には不自由がない 夜でも朝にでもなれる
とうの昔に片付いたこと 何度も向かい合える

どこか人は終わりたい 今は何か消し去りたい
どんな孤独さえも 歌の中には不自由がない

今まで信じた事 これまで聞かされた話が
どれもこれも嘘だとしても 歌の中には不自由がない
 

「とうの昔に片付いたこと 何度も向かい合える」って行が、とても響きました。

『思い出すなら』

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拭いきれない後悔がある。
何度も再生されるのに、決してやりなおせない。
何度も傷むのに、決して慣れることはない。

だからいつも、そのボタンを避けるように歩いている。

だけど、ときどき、不意に誰かが背中越しに駆け寄ってきて、僕の足もとのボタンを押してしまう。
記憶は人と繋がっているから、その人と繋がっている限り、ボタンは押され続ける。
僕は一人じゃ生きていけないから、きっとこれからもボタンは押され続けるんだと思う。

誰にでもこんなことの一つや二つ、あるんじゃないかな。
ない、と答えた人も、いつかは抱えるかもしれない。

もし、いつか、それも自分の一部だと受け入れることができたら、
そのときは自分でボタンを押せるようになるのだろうか。

それでも、きっと痛みは変わらないのだろうけれど…。
もし、思い出すなら、いったい僕は、どんな気分のときがいいんだろう…。



この曲を聴きながら、そんなことを考えさせられました。
思い出すなら ASKA 歌詞情報 - goo 音楽

一番遠回りな近道

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今日のこのときを、忘れることができないように、
やっぱり僕たちは、25年前の日のことを覚えている。

いつも、慌てずに、ゆっくりと歩いて行くことを勧められたけど、
きっと僕たちは、そのときその場所で、一番近い道を選んでいる。

たとえ、たとえ、それが遠回りに見えたとしても、
そこを歩いた人だけが答えることのできる、一番遠回りな近道だったはず。

僕たちの出会いには、僕たちの意味が生まれているはず。

今の自分を、本当に評価することができるのは、
未来の自分だけだと思うんだ。

2004年 CHAGE and ASKA 25周年記念ライヴ「熱風Live」ASKA/MCより

よく、「遠回りな人生だな」って思う僕にとっては、とても力強い言葉だった。
たくさんの偶然を拾い集めて形になったものが、今ここにあるとするなら、
それはきっと、この道を歩いてこなければ決して出来上らなかったものなんだよなって思う。

今まで無駄なことなんて何一つなかった、なんていう言い訳じゃなくて、
無駄な時期もあったよ、と認めてしまうくらい、今の自分を受け入れているってこと。

そして、今まで自分が選んで、歩んできた道を、
決して忘れていないということ。

それが大切なんだよなって思う。

いつか、今日のこのときを思い出して、
「これが、一番遠回りな近道だったよ」と、僕は僕に言えるだろうか。