かけがえのない一瞬

三輪亮介の日常ブログです。ここでは仕事の近況・日々の想いなどを綴りたいと思います。

雨音

雨の音をずっと聴いていると

悲しい気持ちと穏やかな気持ちとが

コーヒーに入れたミルクのように

ゆっくりと渦を巻いて混ざり合う


 
窓の向こうの雨音は

いつか青い長靴で水たまりの中を 家まで帰った足音で

かわいらしくさみしそうに鳴っている
 


なんでこんなに降るのですか

どうしたら止むのですか


 
僕は小さい黄色い傘から空をのぞいて

必死に耳を澄ましてみたけど

雨足ばかりが強くなって

小さい傘を叩くばかりで

雨さんの答えは聴こえなかった
 


過ぎ去りしはるか遠くの日々の

色あせた景色が

街から彩度を下げた今日の雨景色と重なる
 


なんでこんなに降るのですか

どうしたら止むのですか
 


窓の向こうの雨音に

耳を澄ましながら

少し冷めたコーヒーを飲む

まっしろな朝

朝 取り残された水たまりで

一枚の枯葉が泳いでいる

どこにも行けない 行かないけど

今日は少し浮かんだままでいよう

プカプカと
 


明日に向かう時間と人が追いかけっこ

しわくちゃのエブリデイ

心のはじっこ持って 真っ白なシーツ

今日はめいっぱい空に広げてみよう

バサバサと
 


明日のことを考えずに

今日のことを想いながら眠れたらいい


 
僕はときどき 明日に色を塗りすぎちゃう

わからないものを わからないままにしておけなくて

明日はあまり嬉しくなさそう
 


だから今日はまっしろな朝

さあ どうしよう

さあ どうしよう

遠くで聴いた花火

花火の音を

遥か彼方の惑星の爆発のように

遠くでそれを聴いている


 
毎年同じように迎える日でも

毎年違う顔で人々は見つめている


 
僕もまた僕のままでいることは難しい


 
隣にいた人は今年も隣にいるだろうか

あのときの気持ちは今もまだ胸の中で温かいだろうか


 
人は折に同じ場所に立つ

前に進んだのだろうか 戻ってきたのだろうか
 


夜空にふわりと花が咲いて

少し遅れて僕らに音が届けられるように


 

答えはきっと 今届けられることはない

フェアプレイニュースvol.86「いつでも全力を尽くす」

2017年9月19日発行
「フェアプレイニュースvol.86」

 

日本体育協会が発行している全国の小中学校約3600校にて、廊下などに掲載される壁新聞「フェアプレイニュース」そのvol.86「いつでも全力を尽くす」の作画を担当させて頂きました。

今回の種目は「駅伝」。
中学校1,2年のとき駅伝をやっていた僕にとっては、とても想いの詰まったスポーツだったので、色々なことを振り返りながら作画させて頂きました。

背景やユニフォームなどは、当時のものを再現しています。
youtubeで、当時の駅伝の様子も公開されているので、興味のある方はぜひ覗いてみてください。
「2008年箱根駅伝大会」

ひとひらの勇気

大きな絵を描くときに

筆を長く持つように
 
細かい絵を描くときは

鉛筆を短く持つのさ
 


そのとき そのときのやり方がある
 


大きな絵を描くのに

絵の具を集めるのも素敵だけど
 
今ある絵の具の中で

何が描けるのか考えるのも楽しい
 


決めたように歩けないときは

決めないで歩いてみるのさ
 


ほら歩けた
 


と言えるじゃないか
 


そのとき そのときの道がある
 


それは初めて通学路を外れた帰ったときの

ひとひらの勇気みたい

フェアプレイニュースvol.83「自他共栄」

2017年6月12日発行
「フェアプレイニュースvol.83」


日本体育協会が発行している
全国の小中学校(約3,600校)にて、廊下などに掲載される壁新聞「フェアプレイニュース」
そのvol.83「自他共栄」の作画を担当させて頂きました。
昨年のパラリンピックコンプライアンスマンガに引き続き、パラリストの方達を調べながら描くことは大変勉強になり、その努力など、大変励みになりました。

どこかで見て頂けていたら幸いです。

Strawberry Moon

どこに行ってもどこにも行けない

宇宙の中で迷子になった隕石のようさ

僕らの出会いは
 


生まれた時代も 流されてきた時間も

互い違いながら どこかで同じ瞬間を迎えている

宇宙の片隅で
 


まだ梅雨を知らない6月の間に

思い切り笑い合いたい
 


小さい 冷たい足を

包み込むように温めてゆく

目が合ったら少し照れたような

Strawberry Moon
 



たとえば月には代わりがいないように

君を照らす君の月でありたいものさ

どんな夜だって
 


くだらない話も どうしようもない話も

笑い笑いながら どこかで特別な瞬間になってゆく

宇宙の片隅で
 


まだ梅雨を知らない6月の間に

思い切り笑い合いたい
 


帰り道 冷たい夜空

忘れられない1日になってゆく

小さな人差し指が教えてくれた

Strawberry Moon
 



僕はときどき夜の静寂を駆け抜けて

息を切らして 空を仰いで

会いたいと呟いた

Strawberry Moon
 



僕はときどき夜の静寂を駆け抜けて

息を切らして 空を仰いで

会いたいと呟いた

Strawberry Moon