かけがえのない一瞬

三輪亮介の日常ブログです。ここでは仕事の近況・日々の想いなどを綴りたいと思います。

then and now

目の前でひらりと落ち葉が舞って

「冬が来たのだ」と思っていたけれど


 
毎日通る玄関の片隅に

すでに落ち葉がたくさん集まっていたのを

僕は気づかなかった


 
ちょうど宅配便のドライバーさんが来て

アマゾンで頼んでいたものを思い出したけど
 


毎日通る玄関の郵便箱に

すでに雨に濡れた不在票が入っていたのを

僕は気づかなかった


 
僕はいろんなことに申し訳なく頭を下げて

やっと駐車場から車を出すと

すぐに小さな川を跨ぐ道路に差し掛かった


 
川沿いのサイクリングロードから

下校途中のある一人の中学生が

僕の車が通り過ぎるのをじっと待っている


 
何年も幾度となく歩いた通学路を

誰かを想いながら歩いた景色を

時速
40kmで通り過ぎて行く

まるで走馬灯のように


 
この世で気づく一瞬というのは

その連なりに気づくことに他ならない


 
たとえばそれは

軒先の氷柱に気づくことに等しい

ある朝 長い氷柱に気づきながら

氷柱を長くしたそれまでの時間に気づくのだ
 


たとえばそれは

僕と君が出会ったことにも等しい

ある日 お互いの「今」で結ばれながら


僕らは僕らになったそれまでの人生で結ばれるのだ