かけがえのない一瞬

三輪亮介の日常ブログです。ここでは仕事の近況・日々の想いなどを綴りたいと思います。

Close Friend

Close Friend

来週、1人の親友が結婚する。
彼とは小学校の頃からの付き合いで、今でも児童センターミュージカルで一緒に活動をしている。そんな彼から、結婚式の2次会でライブをやりたいとの打診があった。

曲目は「Close Friend(=親友)」
僕らが20歳になるときに、ある女友だちへ贈った曲だ。彼と、僕と、もう一人の友だちと、3人で一緒に、作詞・作曲をしたもの。

部屋の片隅から、くたびれた歌詞カードを見つける。デモテープは見つからなかったけど、メロディーは頭の中に入っている。チューニングのずれたアコースティックギターを抱えて、Cコードを響かせる。柔らかくなった指が、弦にめり込んで痛い。8拍ほどゆっくり響きを確認すると、8年前のメロディーがすぐに頭の中に再生される。そのまま歌い出しのメロディーと歌詞が、今の僕の口から流れ出る。キーはかなり高い。あの頃出た歌声が、今は出ない。年を重ねる度に、歌えなくなる歌が増えて行く。

不安を抱えたまま、スタジオでのリハーサルに入る。久しぶりに揃う3人。重なる声。
「大丈夫。歌える。」
この曲を1人で歌うことはない。
あの頃も、今も。

随分、曲を作ったものだったけど、今でも恥ずかし気なく歌える曲は少ない。
歌詞とメロディーと歌声が、スタジオの空気をあの頃の3人に帰していく。

いろんなことを一身に感じていた、まさに、あのとき。
20歳になるという、大人になるという一つの変化に、僕らは激しく揺れ、そして同時に、その先の光を強く強く求めていた。

あの頃描いた未来と重ならない今がある。
それでも、ひとつ、変わらないことは、8年後の今も、この曲を3人で歌えるということ。
それがなによりも幸せなことのように思えた。
 

この空すべてが大きな紙で この海すべてがインクでも
僕らの気持ちは伝えきれないだろう

片手じゃなんだかもの足りなくて 両手じゃなんだかすくいきれない
結局いつもの君の手が 僕らにとって必要なんだよ

Close Friend