かけがえのない一瞬

三輪亮介の日常ブログです。ここでは仕事の近況・日々の想いなどを綴りたいと思います。

くまのぬいぐるみ⑫

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終演

11月5日(土)、児童センターミュージカル『くまのぬいぐるみ~きみのこころをきかせて~』が、無事終演を迎えることができました。これもすべて、これまで頑張ってきてくれた子ども達、スタッフ、ご家族、職員の皆さん、施設スタッフ、そして、忙しい中、当日劇場まで足を運んでくださったみなさん全員のおかげだと思います。本当に、本当に、ありがとうござました<m(__)m>

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眠れない夜

3日前から眠れなかった。それは、当日のテクリハのシュミレーションや、照明プランとか、やらなくちゃいけないことも勿論あったんだけど、何より、緊張して眠れなかった。身体は疲れているのに、どうしても眠れない。
無事に公演できるだろうか。お客さん達は観に来て良かったと思ってくれるだろうか。僕が最後、子ども達に
伝えなくちゃいけない言葉は何だろう。みんな、最後に笑ってくれるだろうか。

自信を構築するだけの時間は、今は作れない。その中でやるだけやってきたつもりだけど、それでも常に不足感が残る。押し寄せる不安から逃れようと目を瞑ってみるけれど、心臓の音がうるさくて、やっぱり眠れない。結局、窓が明るくなっていく。あの人もこんな気持ちだったのかなぁって、今はベルギーにいる、前・演出家の人のことを想う。

でも、朝になると、不思議と気持ちが落ち着いてくる。みんなの顔が浮かんでくる。「楽しもう」って気持ちを忘れちゃダメだ。最後の一本、思いっきり楽しむために、自分が今できることを精一杯やろう。そんなシンプルな気持ちになるためには、必要な緊張量だったのかもしれない。

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「ごめんね」と「ありがとう」の世界

最後の幕が閉じた瞬間、子ども達が満面の笑みで一斉に駆け寄ってきてくれたことが何よりうれしかった。
お客さんが良かったよ~って笑顔で話しかけてきてくれたのもすごい嬉しかったし、ほっとした。
もちろん、完璧じゃない。失敗もあった。けど、そんなの全然たいしたことじゃない。全然、まったく。
大切なことは全部、伝わった。

みんな笑ってる。

伝える。伝わる。

いつも最後に僕の中に残ることは、たくさんの「ごめんね」とたくさんの「ありがとう」。
僕のせいでスタッフやご家族の人に迷惑をかけたところは、きっとたくさんたくさんあって、何度も「ごめんね」って言葉が浮かんでくる。そして、たくさんの人たちへ感謝の気持ちが湧き上がる。
この2つの言葉の関係は、僕ができなかったことを、誰かがやってくれているってこと。
だから、「ごめんね」と「ありがとう」って言葉は、人と人がちゃんと支え合っている証拠なのかもしれない。

いつか、児童センターの先生が言っていた。

「私たちの世界はね、『ごめんね』と『ありがとう』の世界なの。」

きっと、そうだ。

たくさんの人に支えてもらった。