かけがえのない一瞬

三輪亮介の日常ブログです。ここでは仕事の近況・日々の想いなどを綴りたいと思います。

あれから2年・・・

マンガの制作期間に入ると、
僕は朝起きてすぐに濃いめのコーヒーを入れ、ラジオをかける。
別に聴きたい番組があるわけでもなく、ある程度の雑音の中でも集中力を上がられるっていうあの「カクテルパーティー効果」ってやつ。
締切までギリギリのスケジュールで描いているから、机の横の壁にはお手製のカレンダーがあって、1日1日と×印がつけられている。

1月19日…

ふいにラジオからあの曲が流れてくる。
 
When you're down and troubled
And you need some loving care
And nothing, nothing is going right

(君が落ち込んでたり悩んでいたり
 誰かの助けが必要なとき
 何もかもうまくいかなくてどうしようもないとき・・・)

キャロル・キング&ジェイムス・テイラーが、
4月に来日公演を行うことが決まりました・・・」

ラジオのDJの言葉をよそに、あの頃の僕らが帰ってくる・・・。





―あれから2年が経った。

2008年1月19日 立教大学教育学科主催の音楽祭にて
三輪組の『Thank you 4』を公演した日だ。
卒業旅行にも行かず、ただひたすら…かけがえのない仲間とのかけがえのない日々を噛みしめた2週間。
オープニングの曲は当時サウンドチーフを務めていたうっちーが選曲してくれたCarole King『You’ve got a friend』だった。
曲がフェードインの中、主役の一人、きたしょーが、枯らした喉で台詞を叫ぶ。

「僕は今、たった独りでここに立っています。僕の他に誰もいません。
 約束をしたんだ。
 3年後の1月19日。
 初めて会ったこの場所で、二人の名前が混ざり合ったこの夕方の時間に
 また会おうって…。

 約束したんだ。」

そんな劇中の約束が、僕らの本気の約束だった。
約束の日まであと1年・・・

みんなは今日という日を、どんな風に生きたんだろう。
仕事に追われ、振り返る暇もなくなると、気付かずに過ぎて行った奴もいたかもしれない。
それとも、当時の冊子や台本を広げた?少し暖かくなった空を見上げた?
それぞれの1月19日が過ぎようとしている。

みんなが隣にいた1月19日。
ひとりぼっちの1月19日。


そんなことを考えながら、すぐにカレンダーに書かれたノルマが僕を現実に戻す。
「やばい、やばい!」
原稿に向き合う僕の背中に、あの曲の続きがやさしく鳴り響いてた。

You just call out my name
And you know wherever I am
I'll come running to see you again
Winter, spring, summer or fall
All you have to do is call
Lord, I'll be there, yes I will
You've got a friend
You've got a friend

ただ僕の名前を呼べばいい
僕がどこにいたって君ならわかるだろう
僕はまた 君に会うために走って行くから
冬 春 夏あるいは秋
ただ君は僕の名前を呼べばいいんだ
そうすれば、きっときっと僕は君のところに行くから

そう、君には友だちがいるんだから
君には友だちがいるんだから