2022-02-17 今日も風が吹く 散文詩 たとえば今日の朝焼けを 僕らは地図のように記すことはできない たとえば今日の気持ちを 僕らは写真のように残すことはできない 薄らいでゆくもの 移ろいゆくもの 流れゆくもの そういうものに僕らは囲まれている そういうものを僕らは掴みたがっている 風が吹く 目の前の枯れ葉はどこかに飛んで行っただろう その眼前に起きる当たり前の出来事には なんの疑問も持たずに歩けるのに どうして枯れ葉が遠くに飛ばされた途端 僕らは少し切なく見送ってしまうのだろう 今日も風が吹く